基礎知識ピルの種類
低用量ピルと中用量ピルの違い|使い分けと目的を解説
更新日:2026年4月
1. 低用量・中用量ピルの定義
「低用量」「中用量」はエストロゲン(エチニルエストラジオール:EE)の配合量による分類です。
| 種類 | EE配合量 | 代表的な銘柄 |
|---|---|---|
| 低用量ピル(OC/LEP) | 20〜35μg/日 | マーベロン・ヤーズ・トリキュラーなど |
| 中用量ピル | 50μg/日 | プラノバール・ノルレボ(緊急避妊とは別)など |
※ 超低用量ピルと呼ばれる20μg製剤(ルナベル・フリウェル等)も存在し、子宮内膜症治療に特化した製品です。
2. 両者の比較一覧
| 比較項目 | 低用量ピル | 中用量ピル |
|---|---|---|
| EE配合量 | 20〜35μg | 50μg |
| 避妊効果 | 99%以上(正しく服用時) | 99%以上(正しく服用時) |
| 主な使用目的 | 避妊・月経困難症・PMS改善 | 生理日移動・過多月経・子宮内膜症の治療 |
| 副作用の強さ | 比較的少ない | 吐き気・頭痛が出やすい |
| 保険適用 | LEP製剤は月経困難症に適用 | 一部の病名に適用 |
| 日常的な継続服用 | 長期服用を前提とした設計 | 必要な時期のみ短期服用が多い |
3. 低用量ピルが向いているケース
✓日常的な避妊を行いたい方
✓生理痛(月経困難症)を改善したい方
✓PMS・PMDDの症状を緩和したい方
✓生理の出血量を減らしたい(過多月経)方
✓ニキビ・肌荒れを改善したい方(美容目的)
✓子宮内膜症の進行を抑えたい方
低用量ピルは長期的な継続服用を前提に設計されており、毎日服用することで安定した効果が得られます。
4. 中用量ピルが使われるケース
生理日移動(月経移動)
旅行・試験・イベントに合わせて生理をずらすために短期間服用します。生理を「遅らせる」場合に使用。
過多月経の治療
出血量が非常に多い場合に処方されることがあります。
子宮内膜症・子宮腺筋症の治療
特定の症例で中用量ピルが使用されることがあります(現在は低用量・超低用量が主流)。
⚠️ 中用量ピルは副作用が強めのため、「生理を早める」目的(前倒し)には使われず、必ず医師の処方が必要です。
5. 副作用の違い
エストロゲン量が多い中用量ピルは、低用量ピルよりも副作用が出やすい傾向があります。
| 副作用 | 低用量ピル | 中用量ピル |
|---|---|---|
| 吐き気・むかつき | やや出やすい(特に飲み始め) | 強く出やすい |
| 頭痛 | 一部に発現 | 比較的多い |
| 不正出血 | 飲み始めに多い | あり |
| 血栓リスク | 低い(通常の非服用者より高い) | 低用量より高い |